01 Think about Energy

日本のエネルギー問題

かつて日本においては、化石燃料の代わりとなるエネルギーとして原子力発電に大きな期待が寄せられていました。しかし2011年の東日本大震災と、これに伴う福島第一原子力発電所の事故を受け、現在国内のほとんどの原子力発電所が稼働を停止しており、今後の再稼働についても困難が予想されています。
この結果、日本のエネルギーには大きく2つの面で課題があると言われています。

化石燃料への依存と温室効果ガス排出

利用時に温室効果ガスを排出する石油や石炭、天然ガスといった化石燃料の削減は、前述のパリ協定に参加した世界各国が掲げる方針です。しかしながら、日本のエネルギーは諸外国と比較して化石燃料への高い依存が続いており、なかでも温室効果ガス排出の大きい石炭への依存が高いことに国際的な批判の声が出ています。将来にわたって化石燃料依存から脱却する道筋が見えていないことから、日本は2019年に世界の環境団体の集まりである気候行動ネットワークより「化石賞」を贈られる不名誉な状態にあります。

電源構成の国際比較
出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー 2019年度版」

日本の二酸化炭素排出量は、中国、アメリカ、インド、ロシアといった国に次いで世界で5番目に多くなっています。このまま化石燃料への依存が変わらなければ、CO2排出量を大きく削減することは難しいと見られています。「パリ協定」を受けて、日本は温暖化ガスの排出量を2030年までに2013年比で26%削減する目標を掲げています。また2020年には、2050年に温暖化ガス排出を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」を達成するとも表明しています。これらの目標を達成するためには、再生可能エネルギーを中心とした非化石電源の構成比を大幅に拡大する必要があるのです。

CO<sub>2</sub>排出量ランキング(2016)
出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー 2019年度版」

エネルギー自給率の低さ

エネルギー自給率とは、生活や経済活動に必要な一次エネルギーのうち、自国内で確保できる比率のことです。日本のエネルギー自給率は、2018年時点でOECD加盟国35か国中なんと34位の11.8%。2010年時点では20%強でしたが、東日本大震災を経て低い水準にとどまっています。

エネルギー源を海外に頼っていると、どんな問題があるのでしょう?例えば、国際紛争など地政学的リスクにより供給が不安定になる可能性があります。また、様々な理由による価格の影響を受けるリスクもあります。このような理由から、日本はエネルギー自給率の向上が求められているのです。

エネルギー自給率の国際比較(2018)
出典:資源エネルギー庁「2020—日本が抱えているエネルギー問題(前編)」
順位はOECD加盟国35か国中の順位

一次エネルギー:石油・石炭・天然ガス等の化石燃料、原子力の燃料であるウランなど、自然界に存在する加工前の状態をベースに、発電や転換で生じるロスを含めて集計した、日本が必要とするすべてのエネルギー量。電気・ガソリン・都市ガスなど変換・加工後の「二次エネルギー」や産業活動や交通機関、家庭など、需要家レベルで消費されるエネルギーの総量である「最終エネルギー消費」と対比してこう呼ばれる。