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日本の再エネはなぜ高い?

日本の再エネ価格は高い、とよく言われます。エネルギー白書(2020)によれば、日本における買取価格(太陽光13円/kWh、風力19円/kWh。2019年FIT価格)に対し、諸外国では10円/kWhを切る水準となっているところが多くあります。日本の再生可能エネルギーが高くなる主な理由はどこにあるのでしょう?

① 未成熟なマーケット

日本の再生可能エネルギー市場がまだ小さく、未成熟であることが大きな理由の一つとされています。例えば風車を手掛ける海外メーカーから見ると日本は魅力的な市場とは言えないため、物流やメンテナンス拠点整備のための投資や部品・サービス供給といった関連ビジネスの育成は遅れがちになります。
今後、国としてより意欲的な中長期導入目標が示され、市場の安定拡大が見通せるようになり、日本市場への投資や関連ビジネスの育成が進むことが期待されています。

② 適地の不足

風況の良い場所や太陽光に適した広い平地が限られており、利用可能な土地を造成して発電設備を設置したり、発電した電気を系統につなぐため事業者が電線(自営線)を整備したりといったコストがかかることがあります。
日本を囲む海を発電に活用する洋上風力発電は、このような制約に対応する方法のひとつとして期待されています。また、これまで活用が限定されていた耕作放棄地などのうち再エネに適した土地の活用促進策が議論されています。

③ 災害への備え

台風や大雨、地震の多い日本では、海外と比較して災害対策にコストがかかっていると言われています。

④ その他(制度・仕組みの違い)

発電所開発に当たっての国や配電事業者、発電事業者を取り巻く制度や仕組みに違いがあるため、単純な価格比較が難しい面もあります。例えば、再エネで発電した電力を供給するために電力系統の増強が必要になった場合、日本では発電事業者が大きなコストを負担するケースがあります。

今後に向けて

日本の再エネコストが高くなる要因は、ほとんどが発電所設立のための初期コストに関わるものです。FIT価格はこのような初期コストを一定の期間で回収できるように設計され、市場の成熟に従って年々引き下げられており、再エネ価格は徐々に下がっていく方向にあります。
一方で、再エネの多くは燃料費がかからない、または非常に安価で調達できるため、初期コストを除く追加的な発電量あたりのコスト(限界コスト)の比較では最も安価な電源として知られています。長期的には、環境にやさしいだけでなくコスト面からも選ばれる電源となることが期待されています。