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燃料の木質ペレットやPKS(ヤシ殻)を輸入しているバイオマス発電所も多いと聞くけれど、なぜ日本国内の木を使わないの?

日本は国土における森林面積は大きいものの、木材の伐出量は地域差があるので、大規模な発電を行うのに十分な燃料が近隣だけで容易に調達できる場所は、意外に限られています。また、木材を伐採し運搬するのに必要な林業従事者が少なくなって、コストも高くなっていることなど課題が多くあります。そのため多くの事業者は、特に大規模発電の場合、海外から安価な木質燃料を輸入し、輸入した燃料を荷揚げしやすい沿岸部などで発電を行っているのです。

一方、関東地方の木質資源(建築廃材を含む)のみを燃料とするJRE神栖バイオマス発電所のように、日本国内で入手できる資源のみを燃料とする大規模バイオマス発電所も存在します。また、森林に近い地域では、地域の木材を燃料としている中小規模のバイオマス発電所もあります。こうした発電所の場合、地域内でエネルギーや廃熱が利用されていることも多く、エネルギーの地産地消にも貢献しています。