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なぜ蓄電池が普及しないの?

蓄電池とは、電気を蓄え、必要時にそこから電気を使うことができるシステムのことです。一般的には、充電しておいて、電力が供給されない場所や停電時において活用されています。
この蓄電池を発電施設に備えると、発電時に余った電力(余剰電力)を蓄えておき、発電量が不十分な時に活用することができるので、電力の安定供給に役立ちます。特に夜や悪天候時に発電できない太陽光発電と併用すると効果的です。これまでは産業用での利用が中心でしたが、近年は住宅用太陽光発電設備に併設することも多くなっています。

このように蓄電池はとても便利なシステムなのに、普及はそれほど進んでいません。どうしてでしょう?

一番の問題と考えられるのは価格です。例えば電力会社の送配電網である電力系統に繋ぐことができる「系統連系型」蓄電池の場合、家庭用蓄電池では一台百万円から数百万円、産業用蓄電池となると、規模により数千万円以上の費用がかかってしまいます。

一方最近では、東日本大震災や台風被害が続いた影響もあり、災害対策の観点から一般家庭でのコンパクトな蓄電池の普及が進んでいます。また「走る蓄電池」ともいえる電気自動車の普及が進むなど、蓄電池は私たちにとってより身近な存在になりつつあります。こうしたさまざまな需要の中で産業が発展し、蓄電池のコストダウンにもつながることが期待されます。